*工事現場*

あれは、ちょうど春の声が聞こえて来始めた、ある夜のことであった。
私は職場の親睦が目的の会に参加しており、その晩は懇親会が執り行われた。
程よく酔った私は、そろそろ家路につこうとしたのだが、
”新沼 謙治”似で飲み好きの先輩Tがそれを制した。
曰く「なぁ、○○し(私の名前)まだ飲み足りないよー。ま○(ZI-MAのこと)を呼んでどっか行こうよ。」
私は「そうですかぁ? じゃ、今呼んでみます。」
見た目とは裏腹に私は結構先輩を大切にするタイプなのだ。
そして、ZI-MAに電話した。
「よう!T兄ィが飲もうってよ。」
すると、ZI-MAは
「えっ!うそ!俺もう酔っ払っちゃったよ。なんとか上手く誤魔化してくれない?」
う〜ん、総帥の私を生贄に自分だけ逃げるとは、中々見上げた根性である。
仕方なく私はTにZI-MAはもう寝たと伝え、代わりに私が付き合うと申し出た。
するとTは少しハニカミながらも、少し大きさの違う左右の目を細めながらニヤッと笑った。
そして、二人はよく行くパブに足を向けた。
そこは、この界隈でも相当リーズナブルな料金設定が売りの店だったが、
料金の割に、まぁまぁ若くて面白いバカ女共(まさに私にふさわしい)が揃っていたので休みの前などはいつも満席状態だった。
しかし、その日は私たちが二人と少人数だったことが幸いして遅い時間にも拘わらず、すんなりと席に座ることが出来た。
そして、歌を歌い、焼酎を流し込み、バカな会話に笑いころげながら、時間は過ぎていった。
店も終盤にさしかかり、客の数もまばらになった頃、
Tの歌う”SOME BODY'S NIGHT”が流れる中、私の隣に見たことのない女が現れた。
小柄で”知念 里奈”を彷彿とさせる、ちょっと小悪魔的な顔立ちの女だった。
しかし、私たちはもう帰ろうとしていた所だったので、その女に「帰るよ」と伝えた。
すると、その女は「ダメ! だってずっとこの席に来たかったんだから」と云って、返してくれなかった。
仕方なく、ラストまでいることにして私たちは飲み直すことにした。
その間中、その女は私の側にピッタリとくっついて座り、ずっと私の手を握り締めていた。
聞けば、一目惚れしたとのことだった。
当然と云えば当然のことなのだが(?)、よくよく考えてみれば変った女である。
普通の女なら私の魔力を感じ取って、距離を置いて話そうとするのに・・・
<こいつ、バカか?>と同時に
<どうやら、俺様にピッタリのバカ女だな。今宵の生贄が見つかったぜ!>と思った。
そして、店もラストの時間を迎えた。
どんなリアクションをするのかと思い。
私は「じゃ!」と一言だけ云って店を出ようとした。
すると私の期待とは裏腹にその女は「またね」と云って笑顔で手を振った。
歳のせいか、感が鈍ったようである。
<絶対できると思ったのにぃ!>
解せない気持のままTと二人で家路につくことにした。
Tの大好きな”TOKIO”を二人で口ずさみながら暫く行くと、
横道から急に小さな影が飛び出して来た。
よく見るとそれは、さっきの女だった。
<でかした!>という気持を抑えて、冷静に「どうした?」と尋ねると、
私の手を取りながら、
「一緒に帰ろう」と女は云った。
「あぁ、そうだな」と気取って応えたが、
心の中で<イエース!ファッック・ユゥ!>と叫んでいたのは否めない。
そこから、数分三人で歩いた。
すると、突然Tが「俺、こっちだから・・・」と云って、いつもとは違う方向に歩き出した。
気を使っているのである。
「ちょっと、T兄ィ!」と呼び止めるように云った私の言葉はもちろん社交辞令だった。
二人だけになり、また数分歩いた。
いつ、狼に変身しようかと悩んでいたのだが、そこは少し広めの一本道で、
しかもそのど真ん中辺りで真夜中にも拘わらず道路工事をしているウスラバカ共がいた。
そいつらの所為で得意の”いきなりCHU”や”卍固め”をカマスことが出来ずに、私は少々イラついた。
そうこうしているうちに、ちょうどそいつらの真横の交差点に着いた。
お別れの時間だ。
二人の帰る方向の分岐点に着いてしまった。
しかし、女はすぐには帰ろうとせず、私の手を中々離さなかった。
そして「ねぇ、ケータイの番号教えてよ。あたしのも教えるから・・・」と呟いた。
「あぁ、いいぜ」心臓のスピードとは逆にすこぶる冷静を装いながら云った。
無事ケータイ番号の交換も終わり、「じゃぁな」と云って、別れる瞬間に
急に女の唇が私の唇に重なった。
甘く、やわらかく、そして少し暖かい感触が私の唇の間に割り込んできた。
私はつい、その女を少し乱暴に抱き寄せて、その攻撃に応えてしまった。
まさに”舌戦”である。
舌でかなわいないとなると女もさらに煽るかのように私の首筋に爪攻撃をしてきた。
私の手は女の頭から、首筋、背中を通り、少し小さめでやわらかなHipを優しく揉み攻撃していた。
女は耐え切れなくなったように、私の腕の中からすり抜け出た、
「どうした?」
「もうダメ、我慢できないよ」
「え?」
「お願い」
「じゃ、ホテル行くか?」
「ううん、友達と待ち合わせしてるの、時間ないから・・・」
「ここでか?」
云ったと同時に私は女のピンクのワンピースの裾に手をやった。
しかし、真横は工事現場である。
交通整理のオヤジの位置からは丸見えなのだ。
少し躊躇ったが、私は根っから素直な男である、特に本能には・・・
目の前に置かれたエサを見過ごすなどと云うような、誇り高い思想には興味がない。
ましてや、プラトンの弟子になどなったこともないのだ。
素早く女の短いスカートをたくし上げ、邪魔な布切れを剥ぎ取った。
そして、その娘の一番カワイイ場所付近に手をやった。
するとそこはもう既に<カマーン!プリティ・ボーイ!>状態だった。
「お前、濡れてんじゃん」
女は「だってぇー」と云って、私のジーンズの上からキャノン・ボーイを優しく擦りだした。
そして、ジーンズのボタンをはずし、女は私のキャノン・ボーイをおもむろに口に含んだ。
「うっ・・・」不覚にも声を出してしまった。
<上手いな、こやつ前職は風俗か?> まもなく、キャノン・ボーイが戦闘準備を始めた。
<波動砲準備!タキオン粒子充填!出力120%、照準セーット!>
私のキャノン・ボーイも臨戦態勢が整ったようだった。
そして、核融合の時がやって来た。
私は女を壁際に寄りかからせて少し脚を開かせた。
その女のカワイイ所はもう蕩けかかっていた。
しかし、交通整理のオヤジのことが気になる。
ふと目をやると、顔だけこちらを向いて、手に持ったライトはずっと同じ方向に行ったり来たりしている。
<意味ねーじゃん>
諌める意味で顔を向けると、我に返ったように慌てて顔を背ける。
<チッ!なんだあの変態オヤジは!溜まってんじゃねーのか?>
しかし、女は今や遅しと私のキャノン・ボーイの浸入を待っている。
私はオヤジの方を睨みながら、ジーンズをお尻の半分位のところまで下げ、ゆっくりとキャノン・ボーイを挿しいれた。
「あっ・・・」女の口から熱い吐息が漏れた。
<うっ!なんだこの女スゲーじゃねーか?>
しっとりと絡み付いてくる、この感触は? いわゆる”○の子天井”というやつだ。
<このままじゃ、こっちが先に蕩けちまうぜ!>
などと思いながらも”駅○”状態にもっていき、その女の”栗”を苛めながら責めつづけた。
女は熱い吐息を段々激しくしていったと同時に声もそれに比例するかのように大きくなった。
その変化にオヤジが気付かないわけがない。
ふと見ると、今度はライトを振ることすら忘れて、とりつかれたように見入ってやがる!
睨むと、何かにぶつかったように顔を横に向け思い出したようにライトを振り出す。
「イッちゃう!イッちゃう!イヤッ!本当にイッちゃうー!」
女が叫ぶ、また見ると今度は、なんと!少し近づいてやがる。
<なんだぁ?あいつ!>
睨むと、また横を向いてライトを振り出す。
すぐにイカせてやれば良かったのだが、つい私は焦らして苛めたくなってしまった。
腰の動きをゆっくりと、しかも振幅は少なめにした。
女は切ない溜息を何度も、何度も、繰り返した。
今度は目線をオヤジに固定したまま顔だけを女の方に向けてみた。
すると、オヤジは私の顔が自分の方を見ていないのを確認した後、あろうことか小走りに近づいてこようとした。
即座に顔を向ける。
オヤジは止まる。
また、顔を戻す。
オヤジは走る。
まるで、”だるまさんが転んだ”状態だ!
とうとう、オヤジは最初の場所から10メートル近く移動して、私たちのすぐ側まで来ていた。
いい加減、頭にきた私は、つい大人げなくも、
「何やってんだ?オマエ!見てんじゃねーぞ!このヤロー!」と叫んでしまった。
するとオヤジは、ハトが豆鉄砲を食らったような顔つきになり、鬼のようなガニ股で一目散に所定の位置に逃げ帰った。
恐ろしいほどの単純さだった。
私は吹き出しそうになったが、女は私の怒鳴り声に驚いて果てていた。
そのため、女にちょっとムッとされた。
しかし、オヤジがいなくなったので、私はその後ゆっくりとその女を賞味することができた。
おかげで女は、またイッた。
私のキャノン・ボーイも女の顔めがけて波動砲をブッ放し、その後は普段のビア・ビッツ状態に戻り一件落着した。
女は二度の核融合でヘナヘナになりながらも、友達との待ち合わせ場所へとおぼつかない足取りで去っていった。
事後の検証に拠れば当該区域内で微量の放射能と多量のオヤジのカウパー氏腺液が検出されたらしい。


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